世界保健機関(WHO)は2026年8月19日、ポリオのワクチン由来変異株(cVDPV)のアウトブレイク(再流行)がウガンダ、ガーナ、コンゴ共和国、ブルンジ、ギニアビサウの5カ国で終息したと宣言した。WHOウェブサイト’Five African countries end polio outbreaks’従来から流行していた野生型ポリオについては、2020年8月にアフリカ全55カ国からの根絶が宣言されていたが、その後、経口生ワクチン中の弱毒化ウイルスが体内で変異して感染力を持ち直す「ワクチン由来変異株(cVDPV)」のアウトブレイクが確認され、課題となっていた。このため、アフリカ各国の政府とWHOは連携し、検査体制の強化、デジタル技術の活用、アウトリーチ接種の徹底を通じて変異株の終息に取り組んできた。その結果、同変異株の流行が確認されていたアフリカ30カ国以上のうち、今回の5カ国を含む20カ国以上で終息を達成している。今回の対策では、地理情報システム(GIS)や衛星マップ等のデジタル技術を活用して未把握の集落や移動世帯を特定したほか、医療アクセスが貧しい地域や国境付近のコミュニティに対する戸別訪問(モップアップ・キャンペーン)などを実施。接種率の向上を図ることで、児童の接種漏れを最小限に抑えたことが功を奏した。今回の取り組みについて、WHOアフリカ地域事務局長のモハメド・ジャナビ博士は、「強力な国家のリーダーシップ、保健従事者の献身、そして地域社会の協力があれば何が達成できるかを示す重要な節目である」と評価した。ただし、ポリオウイルスには国境を越えて再流入・再流行するリスクが常に存在するため、WHOは「終息宣言はゴールではなく、今後も高いワクチン接種率と監視体制を維持することが不可欠である」と警鐘を鳴らしている。