エジプトのバドル・アブデルアーティー外務・国際協力・国外移住者大臣は、2026年6月2日から5日まで日本を訪問しました。滞在中、茂木敏充外務大臣と外相間対話を行い、「日・エジプト戦略的パートナーシップの枠組に関する覚書」および「日・エジプト外務省間の研修分野等における協力覚書」に署名しました。外相間対話では、イラン情勢などの地域・国際情勢に加え、経済・投資分野での協力拡大についても意見交換が行われました。茂木大臣は、風力発電などのクリーンエネルギー分野を含め、日本企業のエジプトへの関心が高まっていることに言及し、ビジネス環境の整備や経済協力案件の手続き円滑化について、エジプト政府の協力を求めました。これに対し、アブデルアーティー大臣は、日本企業からのさらなる投資を歓迎し、良好な投資環境の整備に努める考えを示しました。また、アブデルアーティー大臣は山田賢司経済産業副大臣とも会談し、日・エジプト戦略的パートナーシップの下で、経済・投資協力の強化について協議しました。同大臣は、エジプトが日本企業にとって生産拠点やサプライチェーンを多様化するための戦略的拠点になり得ると説明し、日本企業のエジプト市場へのさらなる関与を呼びかけました。この中で、エジプト側からは、スエズ運河経済圏内に日本専用の工業ゾーンを設置する案も示されました。同経済圏の戦略的立地や投資家向けインセンティブを活用し、日本企業のエジプト市場でのプレゼンス拡大を支援する狙いがあります。有望分野としては、再生可能エネルギー、グリーン水素、低排出アンモニアが挙げられました。また、エジプト側は、電気自動車製造、再生可能エネルギー関連部品、海水淡水化技術などの戦略分野で、産業の現地化を進めていることにも言及しました。エジプトはアフリカの中でも日本企業の注目度が高く、外務省の「海外進出日系企業拠点数調査」によると、日系企業拠点数はアフリカで4番目に多い国です。今回の協議は、エジプトとの経済関係をさらに深め、日本企業による投資や現地展開を後押しするものとして注目されます。