米Amazonは、南アフリカのインターネットサービスプロバイダーHerotelと提携し、2027年に同国で低軌道衛星インターネットを開始する予定です。Herotelは南アフリカの550を超える町や都市で光ファイバーと固定無線によるインターネット接続を提供し、35万件以上の顧客と国内120カ所の拠点を持つ通信会社です。今回の提携では、Amazonが衛星通信網「Amazon Leo」を提供する一方、Herotelは「evry」の名称でサービスを販売し、端末の設置や顧客対応、保守などの現地業務を担います。Amazon LeoはAmazonが開発した衛星通信サービスです。地上約590キロメートルの低軌道を周回する衛星を利用し、光ファイバーや固定無線などの通信インフラが届きにくい地域にインターネット接続を提供します。Amazonによると、Herotelとの契約は、Amazon Leoにとってアフリカ初の同種契約となります。通常の固定インターネットでは、利用者の建物まで光ファイバーなどのケーブルを敷設します。固定無線や携帯電話通信の場合も、周辺に設置された基地局を通じて地上の通信網に接続します。一方、低軌道衛星インターネットでは、利用者が建物に専用アンテナを設置し、上空を通過する衛星との間でデータを送受信します。利用者の近くまで光ファイバーを敷設したり基地局を設置したりする必要がないため、農村部や人口密度の低い地域にもサービスを提供できます。同様の低軌道衛星インターネットとしては、米SpaceXが提供する「Starlink」があります。Starlinkは2023年、ナイジェリアでアフリカ初のサービスを開始しました。その後、アフリカ各国へ展開し、2026年7月時点では、既にアフリカの28カ国でサービスを展開しています。低軌道衛星を利用すれば、光ファイバーや基地局が届かない地域にも通信回線を提供できますが、端末の販売や設置、保守、顧客対応には現地の事業基盤が欠かせません。Amazonが衛星通信網を提供し、Herotelが利用者との接点を担う今回の計画は、衛星技術と現地の運営網を組み合わせて通信サービスを広げる事例となります。