ラストフロンティアと呼ばれる最大の理由:人口アフリカは成長力とポテンシャルに満ちた「ラストフロンティア」であると言われ、第二次世界大戦以降、消費財、自動車、食品・飲料、金融など様々な業界の名だたるグローバル企業がアフリカ各国に進出してきました。このように世界からアフリカが注目されている最も大きな要因の一つは、拡大し続ける人口にあります。本記事では、現在人口が世界第一位のインド、第二位の中国と、アフリカの人口のデータを比較し、なぜアフリカの人口が注目されているのかをご説明いたします。増え続けるアフリカの人口図1は2023年から2050年までのアフリカ、中国、インドの人口を比較したグラフです。これによると、アフリカ全体の人口は2023年時点で既に、中国およびインドの人口を抜いており、15億人にせまる勢いです。中国は2023年以降人口が減少していくと予測されており、インドも2050年ごろまで人口が増加すると想定されているものの、アフリカの人口の伸びはより顕著です。[図1]【国連の人口統計データおよび世界銀行の人口予測データよりJCCP Mが作成】このように現在は同規模の人口を抱える3つの地域ですが、20~30年後には大きな差が広がっています。これらの人口動態の差は、年齢別の人口構成をみるとより明確です。[図2]【国連World Population Prospects 2024よりJCCP Mが作成 単位:100万人】図2は各地域の人口ピラミッドです。これによると、アフリカの人口構成は見事な富士山型となっており、最も人口が多いボリュームゾーンは0歳~4歳です。それに対し中国ではボリュームゾーンが30歳~34歳や50~54歳で、子供の割合が少ないことが明らかです。一方、インドではボリュームゾーンが20歳~24歳と比較的若年層ではあるものの、出生数は減少傾向にあることがわかります。また、図3のグラフでは2000年から2050年までの生産年齢人口の推移を示しています。少子高齢化が進む中国は生産年齢人口が急激に減少し、インドでも生産年齢人口の高止まりが見える中、アフリカの生産年齢人口は2050年まで右肩上がりで増加すると予測されています。[図3]【国連World Population Prospects 2024よりJCCP Mが作成】これらのグラフが意味することは、中国やインドとは異なり、アフリカでは人口ボーナス期[1]が続き、人口増加に基づいた個人消費の拡大や豊富な労働力による経済への将来的な好影響が期待できるということです。世界経済では中国が安価な労働力を背景に、かつては「世界の工場」と呼ばれ、同様の理由で、インドでも欧米や日本などの先進国のグローバル企業が工場を建設するニュースが散見されてきました。この2つの国では、人口増による内需の拡大でGDPの大きな成長もありました。しかし、前述の人口動態からより長期的な視点に立つと、世界の消費や生産の中心が相対的にアフリカにシフトすることは自明です。今回、アフリカという大きな地域と中国やインドという単一の国々を比較してきました。なぜ、アフリカを単一の市場として見ることができるのかについては、後日別のテーマを設けてお伝えしていきます。JCCP Mは日本企業のアフリカ進出支援に特化したコンサルティング会社です。お客様企業のニーズに合わせて、オーダーメイドのご支援を提案させていただきます。お問い合わせはこちらサービス一覧はこちらプロジェクト事例はこちら[1]人口ボーナス期とは、生産年齢人口が従属人口を大きく上回り、経済成長を後押しする可能性が高い時期を指します。反対の言葉として人口オーナス期があります。